フルコーン意外は上手く通信できない
NATにもさまざまな特徴がある事が理解していただけたでしょう。
具体的に、各特徴ごとに通信可能か確認してみましょう。
フルコーン <---------> フルコーン
フルコーン <---------x 制限付き
フルコーン <---------x シンメトリック
制限付き x---------x 制限付き
といった感じで、フルコーンNATでなければ、受信が困難な事がわかります。
UDPパンチなら一部回避できる
しかし、UDPホールパンチングというテクニックを使えばこの制限を一部回避
する事ができます。
フルコーン <---------> フルコーン
フルコーン <---------> 制限付き
制限付き <---------> 制限付き
フルコーン <---------x シンメトリック
といった感じです。
前もってメッセージを送信してもらう
制限付きNATは、「送信した事がある相手からのメッセージを受け付ける」、「送信した事がない相手からのメッセージは受け付けない」を満たすように設計されています。
そこで、UDPパンチでは、これからメッセージを送ってくる相手へ、「あらかじめメッセージを送信しておく」ことで、この問題に対処しています。
相手にメッセージを送った実績があれば、制限付きNATが通信をフィルタリングすることはありません。相手からのメッセージは制限なく自分に届きます。
そもそも、UDPにおいては、通信に失敗したかどうかをNATは判断できません。
なので、 NATからは、受信したメッセージが「通信相手からのレスポンスなのか」、「新規のメッセージなのか」を判断するすべはありません。
例
※ d1とd2は異なる端末とします。
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KyoroDatagramMock d1 = new KyoroDatagramMock(KyoroDatagramMock.NAT_TYPE_RESTRICTED_PORT);
KyoroDatagramMock d2 = new KyoroDatagramMock(KyoroDatagramMock.NAT_TYPE_RESTRICTED_PORT); d1.bind(HttpObject.address("1.1.0.1", 800)); d2.bind(HttpObject.address("1.1.1.2", 801)); d1.send("...".getBytes(), d2.getMappedIp());
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d1からd2への メッセージはd2へ届きません。 d2からd1へメッセージが送信された事がないからです。このため、不正な通信と見なされて破棄されます。
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d2.send("....".getBytes(), d1.getMappedIp());
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d2からd1への メッセージはd1へ届きません。 d1からd2へメッセージが送信された事がないからです。このため、不正な通信と見なされて破棄されます。
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d1.send("abc".getBytes(), d2.getMappedIp());
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d1からd2へのメッセージはとどきます。
以前d2からd1へメッセージを送信した事があるからです。
[まとめ/次回]
前もって、メッセージを送信してくる可能性がある相手には、UDPメッセージを送信しておく。といった事をするだけで、通信可能な端末が増える事を説明しました。次回は、いったんNAT越えから離れて、具体的にP2Pネットワークを構成する方法について解説します。
DHTまたは、普及しているP2Pアプリプロトコルについて解説します。
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